産業廃棄物処理についてのお知らせ・コラム

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2023.02.06

マニフェストの最終処分報告、確認していますか? いつの間にか変わる「最終処分を行った場所」

マニフェストの返送確認はしていますか?
「もちろん!」とお答えいただく方が多いと思います。では、その時に最終処分の場所も確認していますか?
この「最終処分を行った場所」の確認は、多くの企業で疎かになりがちです。今回は、「最終処分を行った場所」の確認に潜むリスクや効率的な対処方法等を解説します。

「最終処分を行った場所」に潜むリスクとは?

そもそもの部分のお話しですが、産業廃棄物を回収してもらい、マニフェストを発行したら、その後は収集運搬報告(B2票)、処分終了報告(D票)は90日以内(特別管理産業廃棄物の場合は60日以内)、最終処分終了報告(E票)は180日以内に返送されていなければなりません。電子マニフェストの場合も同様に終了報告がシステム上で登録されていなければなりません。

報告期限に注意が向かいがちですが、マニフェストの返送確認には「最終処分を行った場所」が契約書に記載された処分場と同じであるかの確認も含まれます。

しかし、「いつのまにか契約書と違う処分場で最終処分されていた」ということも起こりえます。決して珍しいことではありません。

もちろん、契約書に記載のない最終処分場で処分することはできないので、本来は覚書などの書面を交わし、新しい最終処分場を追加する手続きが必要です。返送時に「日付」だけでなく、「場所」の確認もしなければ、気づかないうちに契約外の処分場で処理していたことになってしまいます。

 

「最終処分を行った場所」がいつの間にか変わってしまうのはなぜか?

「最終処分を行った場所」欄に記載される処分場や、その住所がいつの間にか変わってしまう原因はいくつかありますが、大きくは2つです。

① 中間処理業者が委託先を切り替える
中間処理業者が、より条件の良い二次処理委託先を見つけたために、切り替えるパターンです。
対応面の手厚さや、適正処理のレベルなどの要素もありますが、その殆どは「コスト」による好条件先への切り替えです。

② 最終処分先の許可変更
最終処分先が新しい処分施設を設置し、許可証に新しい施設住所が加わることがあります。
同じ許可自治体の中で、少し離れた場所に新たな処分施設を設置するパターンもあり、市町村レベルで住所が異なる処分場が、1つの許可証の中に混在することもあります。
この場合は、「最終処分を行った場所」の名称(処分業者名)は変わりませんが、住所が変わります。

 

お知らせが来ないメカニズム

「最終処分を行った場所」が変わる原因はわかりましたが、なぜ「いつのまにか」変わるのでしょうか?事前に通知してもらえれば、適切に対応できるのに、なぜか突然変わってしまうのです。経験上、排出事業者への事前通知なく、いわば「勝手に」切り替えられことが多いです。

① の場合、事前通知をしない原因は、排出事業者に通知するのは正直、手間がかかるからです。中間処理業者は多くの排出事業者と契約しており、中小規模の処分場でも1000社以上の排出事業者と契約しています。一つの会社と複数の契約を交わしていることも考慮すると、契約書の総数はその数倍です。

これら一つひとつに対して、覚書等の書面を交わすだけの工数がかけられない処理業者も多く存在します。(もちろん丁寧に通知してくれる処理業者も存在します)

「最終処分先一覧を取引先に一斉通知し、それを契約書に挟み込んでおくよう依頼する」というだけであれば、そこまでの工数はかかりません。(法律上も、最低限別紙の差替ができていればOKです)

しかし、現実問題はそうもいかず、通知した排出事業者から電話で問い合わせが入ったり、「覚書に両者押印して対応したい」「そもそもの契約書を結び直したい」などの意向を示す排出事業者の存在も想定できます。こうした企業に個別対応していると、実際には相当な事務工数がかかることが予想できるのです。

コスト削減を目的として、二次処理委託先を切り替えているのに、事務工数で削減効果が台無し…むしろマイナスということもあり得ますね。

結局どうなるかというと、「黙って最終処分先を変えてしまって、気づいた排出事業者にのみ対応する」という選択肢が生まれます。適切な方法ではないのですが、現実問題として致し方なくこうした対応する処理業者が少なくないと考えています。

さらに、こうした対応を複数回繰り返していくと「必ず気づいて問い合わせてくる排出事業者」と「なんの連絡もない(気づいていない)排出事業者」がわかってきます。

前者は「厳しい先リスト」として、事前に通知する対象とされる可能性があります。「厳しい先リスト」に入らなかった後者は、次回以降も事前の通知はされず、排出事業者自身が気づかない限り、契約外の最終処分場所が記載されたマニフェストが量産され続けることになります。

② の場合、①の理由に加えて、そもそも中間処分業者も住所変更に気づいていない可能性があります。中間処分業者が気づいていなければ、通知のしようがありません…。

 

「いつの間にか変わってた!」を防ぐ対策は?

ここまでを通して「どうやら排出事業者自身が都度確認するしか無いようだ」ということはお分かりいただけたかと思います。

では、その確認方法として、まず思いつくのは「最終処分報告がある度に、契約書の最終処分先一覧と見比べ、照合する」という方法ですが、これをそのまま実行することは現実的ではありません。

ご存知の通り、最終処分先一覧は、複数の最終処分先が記載されており、その数が20社、30社ということも珍しくありません。最終処分報告がある度に、膨大な数の最終処分先から住所までぴったり一致するものを探し出すという作業をしていては…それだけで日常業務の工数が膨れ上がってしまいます。

では、どうすればいいのかというと、独自のリストを作って、事前に最終処分先一覧を絞り込んでおく方法があります。

何十社も最終処分先候補があったとしても、実際にその全てに満遍なく排出しているということはありません。実際には、条件の良い2~3社程度でローテーションしており、その他の処分先は予備となっている事がほとんどです。

手順として、まず過去数件のマニフェストを確認し、「最終処分を行った場所」に記載された実績のある最終処分場所を絞り込めたら、それらを列挙したメモを用意しておきます。

最終処分報告が来たら、まずはメモを見ていつもと同じ場所が報告されていればそれでOKです。もし、いつもと違う場所が報告されていた場合、契約書を確認し、記載があればこれもOKです。メモに追記して、次回以降に対応できるようにしておきます。

契約書に載っていない場合には、一度、中間処理業者に確認の連絡をします。稀に、「単純な誤表記」の場合があります。この場合はマニフェストを修正すればOKです。
新しい最終処分場だった場合、最新の最終処分先一覧を貰って差し替えたり、覚書を交わしたりして対応します。

 

契約時点から対策も可能

このようなメカニズムがわかっていれば、契約前の段階で対策も可能です。そもそも使用する可能性のない最終処分先候補は、一覧から外してもらうよう交渉します。

処理業者は保険としてその他の候補を持っているので、主要最終処分先が何らかの理由で受け入れできなくなった場合には、その他の候補を追加しなければならない可能性があり、この点はデメリットと言えますが、その分日常の確認対象が減るのは大きなメリットです。

まずは、日常の返送確認を徹底し、工数がかかるようなら一覧を絞る交渉も含めて対策を検討しましょう。

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